日本の感性価値を伝える「感性kansei - Japan Design Exhibition」。
日本のものづくりの新しい価値基準として位置づけられた「感性」。
製品の中に込められた「ものづくりの心」や「ものづくりのものがたり」を9つの和言葉を用いて紐解くことで、日本デザインの根底に脈々と流れる「感性」を伝えます。
2008年12月、フランス・パリの装飾美術館で開催された感性展が凱旋します。パリジェンヌが触れた現代のデザインのジャパネッサンスにあなたも触れてください。
10月28日(木) → 11月3日(水・祝)
午前10:00 - 午後9:00 ※ご入場は閉場の30分前まで
会場 : 西武渋谷店 A館7階 催事場
「感性展 kansei-Japan Design Exhibition-」は終了いたしました。
主催 : 西武渋谷店/NPO法人デザインアソシエーション
企画・総合プロデューサー : 川崎健二(NPO法人デザインアソシエーション)
プロデューサー : 川又俊明/横地寛子
アートディレクション : 浅葉克己
キュレーション : 下川一哉(日経デザイン)/マニグリエ 真矢(有限会社エクスプリム)
映像制作 : チームラボ株式会社
書 : 武田双雲
「感性」をテーマとするこの展示会は、「WAKOTOBA」というキーワードから
製品の中に込められた“ものづくりの心”や“ものづくりのものがたり”を紐解きます。
豊かな感性は、物の表面に色や形・テクスチャーなどの表情から伝わり、使うという動作によって実感し、内面に秘められた作り手の心遣いを感じることができます。
この“表情”“動作”“心”に9つの和言葉を分類し、選定された100の商品をご紹介いたします。
【WAKOTOBA (和言葉)】
和語(わご)とも言う。漢籍から引用して使う漢語に対して、日本人の日常生活から生まれた日本本来のことばのこと。それらは、自然の観察や遊び、労働などを通じ、日本人が五感で感得して言語化したことば。かなで表記し、音読することで、ことばの意味だけでなく、日本人の優しくていねいな感性も伝わる。
■ 表情 物の表情に宿る感性
「表情」に宿る感性価値は、最も理解しやすい日本の感性価値である。これらは、素材に対する知識や表面処理の技術に優れたクラフトマンやデザイナーによって物の表面や存在感にもたらされる。彼らは、自然界から貰い受けた素材や色の特性を生かし、日本の風土に合った道具や空間を追求してきた。われわれ日本人は、これら一見頼りなげな存在感を生活空間に取り入れ、生き生きとした色彩を身にまとう生活文化を築き、今も大切にしている。
■ 動作 作り手や使い手の動作に宿る感性
「動作」に宿る感性価値は、物を作ったり、使ったりして初めて肉体が感じ取る価値である。細やかな加工技術によって、素材が持つ強さや弱さが使い手の動作を支配することもあれば、使い手のていねいな動作や行為によって初めて、作り手が物に込めた素材や形の意味が明確になることもある。肌や筋肉、骨格などを通じて感知する価値だが、この段階で使い手の心に変化が生じていることは少なくない。
■ 心 人の心に宿る感性
使い手の「心」に宿る感性価値は、作り手が最終到達点として目指す価値である。作り手は物の素材や形の意味や機能を吟味し、使い手の心に、感謝、愛着、祝い、開放、爽快といった感動や情動をもたらそうと努めてきた。複雑さを排除し、使い手の心に素直に届くデザインは、日本のプロダクトの特徴の1つといってよい。デザインが色や形を超えて、心の問題としてとらえられるいま、最も見直したい日本の感性価値である。